東日本大震災より丸5年が過ぎるに当たり、思いを書き始めてみました。
さる3月10日、11日と第4回東日本大震災復興シンポジウムが開催され、130名の同友会仲間が福島の被災地に足を運んでいただきました。大型バス3台に伴走車1台の大軍団です。復旧さえ進まない帰還困難区域を通り抜けた時です。現場を目の当たりした第一声は、「今だにこんなにひどい状況とは思わなかった」のため息でした。年度末という忙しい時期にもかかわらず、全国各地からおいでいただいた全国の仲間たちには感謝に堪えません。
私は震災翌年の福島全研開催の時、「3年だけ甘えさせて下さい。その後は恩に報いる」と報告をさせていただきました。今現在5年が過ぎて思うところがあります。震災により故郷や自分の身内や歴史、生業を全部失い全く先の見えない人たちは「もう」5年が過ぎてしまったと嘆く様。少しでも前に進もうとする人たちは「まだまだ」5年と足を踏ん張る人とに分かれていきます。
震災当時、私はいわき地区会長をさせていただいていました。当時219社の会員に「下を見るな、前を向いて進もう!」と檄(げき)を飛ばしていきました。言った手前、私も新しい農業部門の椎茸づくりで戦い続けて、雇用を創出し、施設の増設を進め、地域のブランド力を高める努力を今も進めております。震災5年が過ぎ新しい7代目地区会長の下、会勢は3月末日現在312名を数えることができました。これも一重に全国の同友会仲間の支援や励ましの下、地区会員が一所懸命に努力している姿が地域内企業の目に留まり仲間が増え続けているのだと確信しているところです。
震災後、鉄道も道路も寸断され故郷に帰れない県民がいまだに10万人もいます。この現実をしっかりと受け止め、国がインフラ整備を今後5年後には復旧するとの事。国民全体で応援を頂くことを切望するところです。地区同友会仲間は現実をしっかりと受け止め、実現できることから確実に前進させ、未来につながる仕事づくり、人創りをしっかりとやり遂げます。原発廃炉につきましては、またの機会がありましたらぜひに書かせていただきたいと思います。
福島同友会副理事長(元いわき地区会長) アース建設(株) 代表取締役 渡部 明雄