東日本大震災から間もなく3年という2014年2月に、岩手同友会のエネルギーシフト研究会が発足しました。地域の人口減少、少子高齢を打開するために、そして震災からの復興を目ざし立ち上がりました。研究会では、「エネルギーシフト」をキーワードに新たな仕事づくりと雇用の創出に具体的に取り組んでいます。
発足以来これまでに、ドイツの経営者を招いての講演会やエネルギーの見える化学習会、地元の行政や各企業への訪問、ドイツ・スイス欧州視察を通じ、企業と地域でのエネルギーシフトの実践へ向けて進めてきました。
この岩手同友会の欧州視察をきっかけにエネルギーシフト研究会はE-wende-cafe(イー・ヴェンデ・カフェ)を立ち上げました。気軽にエネルギーシフトの企業での実践を相談できる場所です。メンバーはエネルギーアドバイザーをはじめ1級建築士、電気工事、冷暖房設備関連、窓の専門家、省エネ改修の専門家、太陽光発電の施工者など、さまざまな分野から地域、業界を越えて熱い思いを持って集まっています。時には個別の相談会として、時には場所を変えて現地での相談会が開催されます。
6月4日にはE-wende-cafeとして初めて、1967年に建てられた築48年の(株)平金商店の第2ビルを会場に開催しました。(株)平金商店は中小企業の知恵と技術、技能を結集して省エネ改修の実現をめざしています。
参加者からは「岩手の欧州視察に参加したメンバーが実際に現地で見てきたことは、非常に大きな力になった。まさに百聞は一見に如かず」「この取り組みを中小企業の知恵と力で是非実現させて、全国の皆さんが『これならうちでも』と現物見本にできる、そんなエネルギーシフトのモデルにしたい」などの意見がありました。同友会の業界や年代を越えた連携は、地域の喫緊の課題をむしろチャンスに転じ、展望を広げるきっかけになりつつあります。