ニュース - シリーズ【絆―復興をめざして】

【絆―復興をめざして】第3回 復興、地域再生は産学官連携の絆で実現する【岩手】

同友会大学の様子(岩手)

同友会大学の様子(岩手)

 岩手同友会の事務局が岩手大学構内にある盛岡市産学官連携研究センターに入居したのは、東日本大震災の3カ月前のことです。「産学官連携で地域に新たな仕事を生み出したい」と岩手大学、盛岡市と相談し実現したものです。

 震災当日、暗闇の中でも守られている安心感がありました。「ここを拠点にすれば何とかなる。」翌日から復興対策本部を立ち上げ、新潟を経由し全国から毎日送られてくる支援物資の配送基地になりました。数日でロビー、会議室を含め燃料や物資で埋め尽くされ、その後数カ月続きました。当時を振り返ると、岩手大学、盛岡市の寛大な対応に救われた、のだと思います。

 2週間後に行った「1社もつぶさない、つぶさせない」緊急例会は、会場に入りきれないほどの参加者で溢れました。県の雇用対策室から職員を招いての説明会の開催など、順次行政や研究機関から出される情報をリアルタイムで共有し、顔をつき合わせて語り合う。ここに来れば何かつかめる、と混乱の中で地域の唯一の拠り所となりました。

 そして震災から3年と3カ月。共に取り組んできた盛岡市とは、「地域の雇用の担い手は中小企業」と確認、地元高校生に毎年震災復興と地域再生、そして生きること働くことを考える授業を、受け持つまでになりました。

 絆とは、見えない想いの結びつき、積み重ねでつくられるものだと思います。震災を経て欠かさず続けてきた同友会大学。今期第5期は、エネルギーシフトと復興、再生をテーマに掲げました。講師には地元岩手の研究者が並びました。震災を経てしっかりと結びついた産学官連携の絆。岩手の未来はここから生まれるのだと思います。(菊)

 

「中小企業家しんぶん」 2014年 6月 25日号より

▲ このページの先頭にもどる

中小企業家同友会のサイトへ中同協とは相双地区 震災記録集 電子書籍
© 2013 - 2024 中小企業家同友会全国協議会