地域の再生のために、エネルギーの地産地消をめざす
東日本大震災とその後の原発事故により大きな影響を受けた福島県。地域の存続そのものが危ぶまれる中で、同友会会員の皆さんの力によって、力強く地域の再生へと進んでいます。その1つとして、白河地区での取り組みを紹介します。
震災後1カ月たって、理事会を開催し、震災後初めて同友会の仲間で顔を合わせました。その場での議論は、色々な課題はあるものの、こんな経験をした福島県民としてクリーンなエネルギーを自分たちの使う分だけ生産し、エネルギーの地産地消をめざそうということでした。放射能汚染のレッテルを張られた福島県であっても、人々が生活できるような産業を創る…農作物の代わりに電気を作ればよいのではないか、という話しでした。
同友会の仲間のネットワークを土台に白河市も参加、2012年1月に「白河地域再生可能エネルギー推進協議会」を発足させました。さらに2013年1月に発電事業を行う白河エナジー(株)を設立。社長をはじめ取締役4名全員が同友会会員です。
地域の事は地域でやるべきで、小さなものをたくさん散りばめる事が大切です。私たちは50キロワット未満の太陽光発電所を小規模分散型で設置しています。メガソーラーでは、単に原発が再生可能エネルギーに変わっただけで、地域の疲弊は止まりません。
電力の分野で私たち中小企業が仕事をできる、とは考えてもみなかった事でした。でも、白河エナジーは同友会で語り合った事が出発点でした。理念・目的を共有した中小企業家の実践によって地域の未来を創ることができます。
(第44回中小企業問題全国研究集会第13分科会 鈴木俊雄氏の報告より)
「中小企業家しんぶん」 2014年 5月 25日号より