〈寄稿〉被災地を訪問して―中同協幹事長 広浜泰久
6月27日、震災から100日以上経った陸前高田から気仙沼・南三陸と特に津波被害の大きかった被災地を平田中同協事務局次長、上野神奈川同友会事務局長、小池埼玉同友会事務局長と池田中同協事務局員の案内で回らせて頂きました。大津波の爪痕(つめあと)の凄まじさを見るにつけても、実際に被災された方々の驚愕(きょうがく)と恐怖、そして心に残された傷跡はいかばかりかと、今もって胸が痛みます。
瓦礫の処理は陸前高田では進んでいましたが、気仙沼・南三陸では「全く手つかず」のエリアが未だに多く残されており、復興への道のりはまだまだ遠く厳しいことを実感しました。
訪問させて頂いた陸前高田ドライビングスクールの田村社長や小野リースの小野社長からお聞きした「極限状態の中での、様々な方々の崇高なる行動」は、まさに私たちに「自らの生き方」を問いかけるものでありました。
消防という役割・使命を全うして命を落とされた方々。その中には同友会の仲間も…。停電の中でも翌日から新聞を発行してきた東海新報。日々沢山のご遺体を丁重に清められている警察・自衛隊の方々。この皆さんの使命感に心から頭が下がります。
そして、多くの職員が亡くなられた関係で機能不全となった市役所に代わって、支援物資の配給をしてきた陸前高田ドライビングスクールの方々と同友会の仲間たち。全国からの支援とその輸送ルートをいち早く確立した新潟同友会のメンバー。まさに「自主・民主・連帯」の極致です。
さらに炊き出しのお手伝いに行きたい気持ちをこらえ、灯油・ガソリンをかき集めて、重機や発電機を使える状態で被災地に提供した小野リースさん。まさに本業での貢献です。
私たちが今何をなすべきか。それは一人ひとり違います。しかし、「使命感をもって復興・日本再生にあたる同志たらん!」という気概だけは強く持って生きていこう! その思いをより強固なものにする貴重な1日でした。
「中小企業家しんぶん」 2011年 7月 15日号より