東日本大震災からの復興を目指し、福島同友会が5月18日、岩手同友会が26日、宮城同友会が27日に定時総会を開催(特集「東日本大震災から3カ月、憲章制定1年」)。鋤柄中同協会長がそれぞれの総会に、あいさつと激励に駆けつけました。 福島同友会総会でのあいさつを紹介します。
福島同友会総会での鋤柄会長あいさつ
このたびの東日本大震災では、同友会でまとめた阪神大震災の教訓が生かされ、中同協では3月14日に震災復興本部を設置し、全国からの義援金の受付や必要な物資を必要なときに必要な量を支援してきました。また各地の情報を集約し、中同協として国に緊急要望書を提出しました。
この震災から中小企業が存続していくにはいろいろな仕組みが必要です。この間、中小企業庁の動きは比較的早かったと思います。これは「中小企業憲章」の閣議決定が大きく効いています。地域の復興には経済や雇用の面で地域を支えてきた中小企業の復興が鍵だと明確化したからです。
e.doyuも威力を発揮しました。同友会事務局に情報を一元化して発信し、会員さんは1人で悩まずに同友会皆で共有することにより、多くの企業が救われたと考えています。インターネットでの情報交換をこれほど有効的に行っている中小企業団体は他にはありません。震災復興に向けたあらゆる行政の情報発信や会員さん同士の情報共有に役立ちました。また、景況調査(DOR)も緊急に調査しなおし、中小企業の実態について情報集約・発信をしています。
日本の産業構造は、勤勉で我慢強い東北の皆さんに頼っていたことを私は再確認しました。特に福島県は原子力発電による電力供給基地でした。これだけの被害を受けたにも関わらず耐えている福島県の人々の、寡黙(かもく)にして力強い地域性を認識しました。私は必ず皆さんが復興できると信じています。
ここにいる皆さんは、勇気のある人です。勇気のある人が集まると元気が出てくるのです。どうか福島の皆さんの元気を全国の同友会に見せて下さい。そうすることで全国の仲間も元気になります。最後に全国の仲間も応援しますので来春の全研にあたっては皆さんが勇気ある決断を下すことをお願いします。
「中小企業家しんぶん」 2011年 6月 15日号より