宮城同友会では、3月22日に第一次緊急要望書を、3月31日に第二次要望書を、宮城県知事宛に提出しました。
第二次緊急要望書
2011.3.31
宮城県知事
村井 嘉浩 様
宮城県仙台市泉区泉中央2-11-1
リバースビル302
宮城県中小企業家同友会
代表理事 伊藤 信幸 佐藤 元一
鍋島 孝敏 福王 進
東日本大震災における 第二次 緊急要望
この度の東日本大震災による史上類の無い甚大なる被害状況に鑑み、我々宮城同友会では先般第一次の要望として、当面の運転資金や新たに発生する設備資金などの調達における金融機関による迅速な決済と既存借入の元金返済猶予等の緊急措置を要望いたしました。
日ごとに明らかになる被害状況ははるかに想像を越えるものです。当会の会員企業においても復興計画を作成し国・県・市にて設置された相談窓口や各金融機関に相談に出向いても、対応がまちまちであり本来の「緊急相談」とは程遠いものとなっている現状が浮き彫りになっております。
このままでは、県民の雇用を守り続けてきた多くの地元中小企業が、廃業又は長期にわたる休業に追いこまれてしまうケースが続出していることから、一日も早い資金調達が必要となっているのが現状です。
政府系金融機関をはじめとする各金融機関において、復興に向けての資金調達において、決済業務が迅速に行われるよう要望いたします。
また、県民の雇用を守り続けてきた中小企業経営者たちは、このような緊急事態に中にあっても、できうる限り雇用を守るための努力を行っています。その際、公共職業安定所(ハローワーク)の担当窓口の混雑により制度利用のための手続が思うように進まず、対応が遅れているのが現状です。
そこで、先般の第一次の要望書に加え、被災地域の一日でも早い復興と、東北地方における全産業の再興に向け、緊急性の高い下記の事項を最優先にご検討頂くよう、お願い申し上げます。
宮城県内の中小企業が再建をスムーズに進めるためにも、宮城県県信用保証協会、日本政策金融公庫をはじめとする政府系金融機関、及び各金融機関、ならびに宮城労働局および公共職業安定所に対し、以下の措置を取り計らっていただけますよう働き掛けをお願いするとともに、併せて日本政府にも早急に働きかけていただきますよう要望いたします。
災害復興のための運転資金・設備再興資金に対する融資決済の迅速化および、従業員の
雇用の確保、休業補償対応のため、以下の対応を要望します。
(1) 緊急融資相談窓口の改善を要望します。
政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工中金)の相談窓口が大変込み合い、窓口によっては2、3時間待ち、また、電話の応対においても話し中、もしくは呼び出し中の状況が非常に長いため、制度利用を必要とする企業において混乱が生じている。この状況を早期に改善するため、至急、相談窓口の行員の増員体制を図っていただきたい。
(2) 信用保証協会における、決済業務の簡素化・迅速化を要望します。
「災害復興」という本来の目的に加え、年度末、決算期を迎えていることを鑑み、各金融機関より出される融資決済の審査業務において、宮城県信用保証協会ならびに政府系金融機関をはじめとする各金融機関に、なお一層の簡素化と迅速化を図っていただくよう、強力に働きかけをお願いしたい。
※地元の雇用を守り続けてきた中小企業の生き残りをかけた制度の活用は、地域経済の復興のための一番の原動力となります。
(3) 政府系金融機関の緊急融資における、融資利率の統一化を望みます。
緊急融資の対応において、日本政策金融公庫と商工中金の融資利率の差異が見られるケースが発生しています。日本政策金融公庫の災害復旧貸付および商工中金の危機対応業務における貸付において、融資利率の特別措置が通達されましたが、企業の業績内容によっては融資利率にばらつきが生じているのが現状です。
「災害緊急融資」という非常事態であることを鑑み、融資利率の統一化と尚一層の無利子化が実現するよう、強力に働きかけをお願いしたい。
(4) 元金の返済猶予期間の延長について
先般の要望書では既存借入に対する元金返済猶予を要望いたしました。当会に所属する会員によっては、返済猶予を受けていただいたケースも若干出てきてはおりますが、さらに返済猶予期間について、出来うる限りの延長が可能になるよう、あらためて各金融機関へご指導いただきますよう要望いたします。
※元金返済の長期猶予により、猶予期間中、その原資を復興費用や新たな設備投資に充当することができます。重ねて、地域の再生=東北各地の産業復興のために改めて法制化を日本政府に対し強力に働きかけていただきますようお願いするものであります。
(5) 金融機関同様、公共職業安定所(ハローワーク)の窓口が大変込み合っています。従業員の雇用を守るため「中小企業緊急雇用安定助成金」および、「雇用保険の特別給付」等の活用に向けて早期対応が図れますよう、相談窓口の増員を早急に行い、申込手続きが迅速かつスムーズに行われるよう働きかけていただきたい。
以上
第一次緊急要望書
2011.3.22
宮城県知事
村井 嘉浩 様
宮城県仙台市泉区泉中央2-11-1
リバースビル302
宮城県中小企業家同友会
代表理事 伊藤 信幸 佐藤 元一
鍋島 孝敏 福王 進
東日本大震災における緊急要望について
この度の東日本大震災による史上類の無い甚大なる被害状況に鑑み、地域の復旧、東北地方の産業の一日も早い再興に向け、緊急性の高い下記の事項を最優先にご検討頂くよう、お願い申し上げます。被災中心部以外の域内中小企業および個人事業者にとっても、震災以降数ヶ月間の売上げは殆ど見込めない状況です。これらの中小企業が再建をスムーズに進めるためにも、各県信用保証協会、日本政策金融公庫を始めとする政府系金融機関、及び各金融機関に対し以下の措置をお取り頂けるよう働き掛けをお願いすると共に、日本政府にも早急に対応して頂く事を要望いたします。
復興にあたっては、県内経済と県民生活を支えてきた地元中小企業が一日も早く復興
できるため、被災企業への休業補償などを含めた以下の項目について融資決済猶予措置
の確立を要望いたします。
1.緊急運転資金に対する融資
(1) 期末(3月末)を迎える決算のための運転資金
(2)従業員人件費、仕入れ等固定費支払いのための運転資金
2.設備再興資金(設備資金)に対する融資
生産工場、店舗、流通システム、それに付随する設備に対する復興用設備資金
3.100%政府保証による保証協会付きの融資の早期完全実施
融資金額の上限金額を設定せずに、企業ごとの事業規模に応じた迅速な対応を
求めます。
4.元金の返済を一時猶予
元金返済を猶予し、利息のみの返済(3年間程度)を広く域内中小企業全般に認めるよう働き掛けて頂きたい。元金返済の一時猶予により、企業はこれを原資に経営基盤の再興や設備投資に充当することができます。
※ 特に、上記4.は今回の震災以前より我々宮城県中小企業家同友会がリーマンショックに伴う「金融危機に対する緊急要望」として、2008年11月に3万名の署名を
沿えて国会に請願していたものです。
今こそ、地域の再生=東北各地の産業復興のために改めて法制化をお願いするものであります。
以上