東日本大震災復興視察ツアー開催
3・11の東日本大震災から6年を迎えた3月16~17日、中同協は東日本大震災復興視察ツアーを開催し、18同友会および中同協から65名が参加しました。
16日は仙台駅に集合し三陸道を北上、気仙沼市に入り視察例会を開催しました。菅原俊樹・宮城同友会代表理事から開催地あいさつがあり、その後、斉藤充・宮城同友会気仙沼支部長から「震災後6年の現状はテレビ画面ではわかりません。実際現場に立って、土と空を見て空気と臭いを感じてはじめてわかるもの。みなさまにはこの現状を地元に帰って、さまざまな人にお伝え願いたい」とあいさつがありました。
つづいて、「地域の復興は自社のイノベーションから」をテーマに、清水敏也氏((株)八葉水産代表取締役・前気仙沼支部長)と岡田知弘氏(京都大学教授)によるパネルディスカッションがありました。岡田氏は「災害の時代に入り、どこの地域でも災害が起きる可能性がある。まだ災害が起こっていない『未被災地』として対応する必要がある」と報告しました。その後、海の市シャークミュージアムに会場を移し、「震災の記憶」を鑑賞しました。
17日は、気仙沼市から南三陸町に移動し、「全事業所調査の結果を踏まえた条例制定運動の現状について」をテーマに、佐藤宏明氏(南三陸町産業振興課・課長補佐)、高野剛氏((株)高野コンクリート代表取締役)、阿部隆氏((株)阿部伊組代表取締役)の3名から報告がありました。その後、南三陸の新さんさん商店街を訪問し、三浦洋昭氏((株)南三陸まちづくり未来代表長)から説明を受けました。続いて丸平木材(株)を訪問。小野寺邦夫氏(丸平木材(株)代表取締役)より「『地木の力を輝かせる』決意を胸に~真の復興を胸に立ち上がる経営者」のテーマで報告。小野寺氏は理念があったから存続の方向がみえたとして、南三陸杉をブランド化し地域内好循環へ向けた対応について話しました。
感想では、「震災という生存の危機に面した方々と危機と想像する立場で違いが大きいことを感じた。人間らしく生きる意味を明確にさせてもらった」「経営理念を大切にし、高い志をもって災害に立ち向かったことが印象に残った」などが聞かれ、被災地の地域づくりと企業づくりに触れた2日間の視察ツアーは終了しました。