福島同友会環境委員会では、中同協が2010年から全国の会員に呼びかけて進めている「同友エコ」の福島県版として、2014年から「福島同友会・環境経営大賞」をスタートさせました。
これは第1に、福島同友会における「同友エコ」の普及および活用を促進していくこと。第2に、県内の会員企業による先進的な環境経営への取り組みを発信していくこと。第3は、持続可能な社会づくりに向けた産業構造の変換をふまえ、企業革新を強化していくこと、の3つを目的に、中同協の同友エコとは別に環境委員会で審査し、県内会員企業の優れた環境経営実践を表彰しています。
省エネ・省資源・CO2削減賞、社員と共に賞、地域と共に賞、エコ仕事づくり賞、エネルギー部門賞など、福島独自の5部門の表彰を設置。2015年度は26社からエントリーがあり、5社が受賞しました。
こうした取り組みの中で、震災原発事故以降、環境経営を重視した考えに基づいたエネルギーシフトによる仕事づくりや地域における循環型経済での自然エネルギーファンドや森林資源による熱エネルギーやエコ住宅づくり、太陽光パネル発電や風力発電、地下水利用など、より身近な資源を企業経営に取りいれるなど、会員のエネルギーに対する意識は年々着実に高まってきています。
2014年4月、福島県郡山市に国内最大級の研究開発機関である国立研究開発法人福島再生可能エネルギー研究所(FREA)が設立されました。これは政府の東日本大震災からの復興の基本方針(2011年7月)を受けて、「世界に開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を使命としたもので、大量導入が期待される再生可能エネルギーの新技術を地元企業、大学と連携して開発するとともに、事業化を支援することを目的としています。
9月16日、環境委員会のメンバーと一緒に研究所を視察する機会を得ました。
そこでは、(1)再生可能エネルギーネットワークの開発・実証(2)水素キャリアの製造・利用技術(3)高性能風車技術およびアセスメント技術(4)薄型結晶シリコン太陽電池モジュール技術(5)地熱発電の適正利用のための技術(6)地中熱ポテンシャル評価とシステム最適化技術といった最先端の分野での研究が取り組まれています。
研究所の開所により、国内外からの企業進出と雇用の創出、さらには新たな産業の創出や次代を担う人材の育成が大いに期待されます。
震災から5年目を迎え、いま福島では官民連携しあい、持続可能な社会づくりに向けた産業構造の変還、環境に配慮した経営をめざして、地域とともに新たな仕事づくりの実践が県内各地で進んでいます。
福島同友会環境委員長 ハイテックサービス(株)代表取締役大場 勝信