ニュース - シンポジウム

エネルギーシフトと仕事づくり、地域づくり

第2回東日本大震災復興シンポジウム 開催

 3月5日、「第2回東日本大震災復興シンポジウム」(中同協主催)が岩手・盛岡で開かれ、39同友会186名が参加しました。「エネルギーシフトと仕事づくり、地域づくり」をテーマに、研究者や被災3県からの報告が行われ、中小企業家エネルギー宣言(案)を検討。翌日は陸前高田市を見学し、復興へ向けた課題や会員の奮闘に学びました。

 シンポでは特別報告「ドイツ・オーストリア視察」として、五十嵐弘人・宮城同友会代表理事がエネルギーシフト(省エネ、地域暖房、再生可能エネルギーの活用)について学んだことなどを報告。基調講演では「エネルギーシフトと仕事づくり、地域づくり」として、中島清隆岩手大学准教授が講演し、エネルギーシフトの意義や取り組みなどについて紹介しました。

 また、被災3三県からの報告では、(株)八木澤商店取締役会長の河野和義氏が、津波による被害で店舗、工場、事務所、全てを失いながら、同友会会員でなければ、経営指針もなく事業再生できなかったと報告。

 (株)櫻井建設代表取締役櫻井一義氏は、宮城県北沿岸の東松島市で、会社がなくなれば地域もなくなるとの危機感のもと、経営理念にもとづき地域の再生にも取り組んでいるようすを紹介。いわき菌床椎茸組合代表理事の渡部明雄氏は、「福島を子どもたちが夢を持って生活できる地域にするため」の会員や社員の奮闘を報告しました。

 その後、日本のエネルギー自給率は4%しかないことなどをもとに「エネルギー宣言(案)」が広浜中同協幹事長から提起され、グループ討論で意見交換しました。

 2日目オプションには86名が参加し、岩手同友会気仙支部(陸前高田)を見学。かさ上げの始まった広大な土地に、横殴りの寒風が吹きすさぶ中、3年前の様子が、ガイドの田村代表理事や河野・八木澤商店社長の話から伝わってきます。

 「一社もつぶさない、つぶさせない」は、震災前からの同支部の取り組みでした。気仙支部会員80社中、震災で社長も社員も亡くなった1社を除いて、全ての会員が事業を再生。

 津波でスーパー七店舗が被災したものの、一人の犠牲者も出さなかった(株)マイヤの米谷春夫社長(岩手同友会会員)は、講演でトップの行動や使命について語りました。

 参加者からは「被災地のみなさんにこちらが励まされた」「エネルギーシフトをもっと学び取り組んでいきたい」など感想が寄せられていました。

米沢商会店舗

2日目の陸前高田視察では米沢商会を見学。米沢商会の米沢社長は地震直後店舗屋上に避難、従業員は避難所として指定されていた施設へと向かいました。結果として施設は全て津波で流され、米沢商会の店舗は残りました。震災を風化させないためにも店舗を残し、地域のシンボルとなっています。

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