希望と展望をとことん語らおう!
7月13日(水)高田自動車学校で気仙支部7月例会が行われました。現在気仙支部では、震災後から4カ月が経った今、各社で新たなスタート切り動き始めています。
「現状を出し合おう。そして、希望と展望をとことん語らおう!」をテーマに集まった今回は、参加者一人ひとりから現状を出し合い、そこに全員から思ったことや「自分だったらこうする」・・など、自由に伝え合う場となりました。
時には「その事業は、今は需要期だからいいけれど、8月以降はどうするんだ。将来は?」など若手後継者にベテラン経営者が問いかける場面もあり、4カ月経って目の前のことしか見てない自分に、それぞれが気づく瞬間でもありました。
話し始めると止まりません。一人10分の予定が30分、40分と過ぎて行き、13時から始まった例会は、あっという間に17時を過ぎていました。それくらい話す場、互いに聴き合う場が、本当に必要なのです。
もう一度一緒に社員とやりたい
現在の企業の実態として、一番課題に出されていた声は、二重債務の問題です。ある水産加工会社では、今回の震災で突然20億円近い債務を背負いました。お客様から預かっていた車検中の車両や販売用の車両が流され、甚大な被害を受けた会社もあります。
こうした中でやむを得ず、社員を一度解雇せざるを得なかった企業もありました。しかし「今まで、一緒に頑張ってきた社員と共にもう一度やりたい。なんとか再雇用し、新たなスタートを切りたい」と以前の社員に声をかけ続け、8割が戻ってきてくれた、と話す社長もあり、再建へ向けての熱き思いをぶつけ合いました。
こういう時だからこそ、地域の声に耳を傾ける
現在の沿岸地域の衛生状態では、製造業として地元で再開したくても再開できない企業もあります。「地域の衛生面、安全面が解消されてからの再建では、自社が持たない。現在いる社員を守っていくためには、これから再建する場所にこだわるのではなく、地元で育ったこの会社をどう守っていくかが一番重要。本当はここに一日も早く戻って来たいが、感情だけでは生きていけない」と悔しさを押さえ、社員を守るために決意した話をする社長もありました。
また、こんな時だからこそ、自社は何をしていくのかを迷いながらも奮闘している若手経営者がいました。「今まで製材所として続けてきたが、仮設住宅が終わったあとの仕事のめどが全くたっていない。今後、地域密着した企業にしたいがどうしらたいいのかわからない」と悩みを打ち明けました。
こうした問いかけに「私たち地域にいる人の声を聞き一つひとつ応えることで方向性が見えてくると思う。私だったら、この声を聞いて欲しい」など、自社の課題についてどうやれば解決できるか、新しい取り組みができるかを皆さんで知恵を出し合い、充実した時間となりました。
ひとりじゃない!
最後に気仙支部長の田村氏から、「4カ月たった今、震災が遠い昔のように思える。しかし、これからが一番大事。各さまざまな壁に直面しているが、この地で働く人と、悩みを出し合い、知恵を出すことがこの地の復興、そして企業復興の大きな一歩になる。ひとりじゃない。我々が結集し知恵を出し合い、一緒にのりこえよう」と呼びかけ、気仙支部の思いを一つにできた7月例会となりました。
(岩手同友会ホームページより転載)