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【福島同友会・いわき地区】 震災復興は全社一丸の理念経営で

環境委員会の様子 6月16日、「環境経営による企業革新でピンチをチャンスに!」をテーマに、福島同友会いわき地区6月例会が地区環境委員会の企画・設営で開かれ、約40名が参加しました。

 いわき市は、東日本大震災で津波の被害を受け、さらに福島第一原子力発電所事故で一時は市民の8割が避難したといわれるほど。いまではほとんどの市民が戻ってきているものの、いまだに風評被害は続いています。今回の例会は、震災復興支援企画第3弾として行われました。

 報告者は、同じく大震災で被災した宮城同友会で環境経営により企業革新を実践する(株)伸電代表取締役の佐藤弘樹氏(宮城同友会環境部会長)と、(株)ヴィ・クルー代表取締役の佐藤全(あきら)氏(昨年、「同友エコ」で幹事長賞を受賞)の2人。佐藤弘樹氏が「同友エコ」の紹介を行ったあと、佐藤全氏が、同友会大学で学び、新卒採用を続け、新たな仕事づくりにも挑戦し続ける同社の取り組みを紹介しました。

 佐藤全氏は、「まず『ちょいエコ宣言』を行い、電気やガソリンの使用量の『見える化』から始めた。社員の意識が高まり、作業改善や新製品開発にもつながった。環境経営は目的ではなく、理念経営実践の一側面。社員一人ひとりが使命感を共有して取り組むことで、企業も発展し、地域貢献もできる。今回の震災復興では、理念を持って全社一丸で取り組むことが重要」と話しました。

 参加者からは、「経営指針の重要性を再認識した」「社員が主役になる取り組みを目指したい」「自社でも早速『見える化』を実践したい」「元気づけられた」などの感想が寄せられました。

 例会に先立ち、佐藤全氏は地元・小名浜の会員企業を訪問。かまぼこに地元産の魚を加えて付加価値をつけていた(株)貴千では、津波の被害は軽微でしたが、「原発事故の影響で漁業再開のめどが立たず、風評被害も心配」とのこと。佐藤氏は、南三陸町で同友会が始めた「福興市」や仙台の笹かまぼこの例を挙げながら、いわき全体でブランド化に取り組むなど積極的に外部発信していってはどうかなど、被災地同士ならではの情報交換も行われました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 7月 5日号より

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