仙台西エリア「緊急例会」で 各社の取り組みを交流
4月21日、宮城同友会仙台西エリア(青葉地区・泉地区)主催で、東日本大震災からの復興に向けた「緊急例会」が開かれました。同エリアの会員を中心に 26名が参加し、隣県の山形同友会からも安藤代表理事、伊藤事務局長、山形大学の福島真司教授が参加しました。震災後初となるエリア主催の例会となりました。
第1部は、「金融・融資対策、労務対策」について。「金融・融資対策」では、(株)セカンドブレーンの原社長が「今、中小企業に必要な資金繰りにあたっての取り組み」をテーマに報告、「労務対策」では、伊香社会保険労務士事務所の伊香所長が、「災害時における雇用確保のために~助成金の種類と申請の現状~」をテーマに報告を行いました。
第2部は「事例報告&グループ討論」。「震災時、震災後のわが社の取り組みと現状、今後の取り組みについて」をテーマに、タカラ米穀(株)(米穀・石油販売業)の中川浩志社長と、(株)オプス(建物総合メンテナンス業)の菅原俊樹社長が事例報告を行いました。
中川氏は、震災直後の対応などを紹介したあと、次のように話しました。
「3月22日に入社式を行い、新卒2名を迎え社内で会議を行った。売上の減少や不良債権の発生、さらなる仕入高の高騰などが予想される中、経営に本気でかかわって欲しいこと。仮に売上が1年間全く無くなっても、わが社は皆さんの生活を守っていくだけの経営をこれまでしてきたことを伝えた。
イラク戦争時に軽油の地下タンクをつくっていたため、震災の次の日にわが社の車両は動くことができた。良い時期に何をしてきたかが試されている」。
菅原氏は、兵庫同友会がまとめた阪神大震災の教訓を参考にしながら、震災直後に社員の安否確認や情報発信を積極的に行ったことなどを紹介。
「小さい事業体だからこそ、攻めに転ずる。各業界でエコ、防災などの次世代型への転換や更新が一気に進むだろう。大手は強いが、『大手が見えない、できない点』をやる体制をつくっていく。普段の理念経営がこの震災時で生きた」と述べました。
宮城同友会では、「今こそ会員同士が励まし合い、一致団結し、復興に向けて全力をあげよう」と、今後も引き続き緊急例会などを開催していく予定です。
「中小企業家しんぶん」 2011年 5月 15日号より