2011新入社員入社式研修会~「私たちはいつまでも沈んでいない。さあ見てろ!」(2011.04.02)
岩手同友会2011新入社員入社式研修会が、4月1日(金)盛岡グランドホテルで行われました。県内各地から26社39名の新入社員と経営者40名、計79名が参加しました。震災後県内企業の環境は一変し、売上げの見通しが全く見えない状況が続いています。
しかしこの3週間、被災後も入社式への参加が決まっていた同友会企業で、一人の内定取り消しもありませんでした。「これから地域の復興を担うのは、間違いなく中小企業。そしてその企業をこれから支えるのが新入社員。どんなことがあっても我われ全員で迎え、みんなで復興への思いを共有したい。何としても地域に元気を届けたい。」震災後わずか3週間。企業復興へ全力を傾注する中、僅かな時間を苦慮して探し準備、入社式を開催するまでこぎつけたのは、そうした理由がありました。
<私たちの決断>
代表理事挨拶に立った村井良隆氏((株)あさ開 代表取締役)は「多くの方々が被災され、本当に辛く悲しい場面を体験してきました。二度とあってはならない、そんな災禍です。皆さんも、自分の就職した会社は大丈夫だろうか。よほど心配をされたことでしょう。同じように、私たちも同じ不安を持って今日を迎えています。皆さんを本当に受け止められるだろうか。迷った会社も沢山あったはずです。でも私たちは進む決断をしました。
<地域とって必ず必要な存在>
私たちの仲間の多くが被害を受け、全て失ってしまった会社もあります。幸いにも私たちはここにいます。地域に残された使命は、大変大きいのだと思います。震災後、県内全域が売上げがゼロというのが現実の姿です。しかし社屋もある。仕事も出来る。ここにいる私たちはまだ、恵まれた環境の中です。今は救助、救援から復旧まで漸く来ました。ここからが正念場です。復興までは何年もの間、耐えていかなければならないのです。
今日から皆さんは私たちの仲間です。会社を建て直し、地域を立て直す仲間です。我われ中小企業は一つ一つは大変小さい存在ですが、必ず地域が復興していくために必要な会社と信じ、その一員である皆さんが、一日でも早く力になっていただけるよう心から願います」と呼びかけました。
<悲しそうな背中に先輩からのエール>
新入社員の紹介では、例年瑞々しく響く声で返事をする姿が印象的でしたが、今年は全員が控えめの返事です。世間全体に祝賀を控える雰囲気があり、人生の大切な船出であるにも関わらず、声を大きく出して喜べない背中が悲しそうにも見えました。
その雰囲気を一掃したのが、先輩社員の激励でした。入社2年目の信幸プロテック(株)社員、佐藤幸政さんは、自分の入社から現在までの体験を丁寧に語ったあと、「皆さん、私とこの岩手を復興しましょう!私たちが牽引し、地域を再生しましょう!」と堂々と訴え、新入社員にもようやく高揚した表情が生まれました。
<歴史を創る大きな一歩>
新入社員の感想では「大学の卒業式が中止になり、切り替えられない自分がいました。入社式は社会人へと成長する、そして実感する場となりました。こんな大変なさ中、開いていただいた皆さんに心から感謝したい」「厳しい環境下で採用していただいた感謝を忘れず、地域の復興の力になりたい」「私たちはいつまでも沈んでいない。さあ見てろ!と伝えたい」と意気込みを話す社員もあり、復興への大きなスタートを切った、歴史を創る大きな一歩を刻んだ入社式となりました。
岩手の企業を1社もつぶさない、つぶさせない緊急例会(2011.04.05)
4月5日(火曜日)コラボMIUで、岩手の企業を1社もつぶさない、つぶさせない、盛岡支部緊急例会が行われました。
震災後初めての例会ということもあり65名が参加、8つのグループに分かれて、3時間半を越える熱き討論が行われました。
始めに「何としても企業と雇用を守り、地域で互いにあてにし合い、地域を守り抜こう!」~いざ復興へ。我が社はどう動いたか、社員と何を語ったか。~をテーマに、(株)あさ開 代表取締役 村井 良隆 氏が。
続いて「全国4万1千名、同友の輪 激流の如く動く!」 ~企業家の想いつながるバトンリレー、血液のように~をテーマに、中小企業家同友会全国協議会 事務局長局長 松井 清充 氏が、現在までの全国の状況と、岩手の今後の動きへの問題提起を具体的にいただきました。
新入社員の皆さんが希望の灯りです~2011気仙支部合同入社式(2011.04.06)
4月6日、陸前高田ドライビングスクールで、2011岩手県中小企業家同友会 気仙支部合同入社式が開催されました。大船渡、陸前高田から4社5名と北海道同友会から岩手に研修で参加している3名の合計8名が、晴れの席に臨みました。
地震で落ちた天井を急遽修理し、ドライビングスクールの一室を入社式会場として整えました。迎えた参加者は、県内各地からの応援も含め40名にもなり、また21名の報道陣も会場に入り、全国が注目する中行われました。
岩手同友会ホームページ:http://iwate.doyu.jp/