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【岩手同友会】 力を合わせ地域の復興を―26社39名が新入社員入社式研修会

いつまでも沈んでいない。さあ見てろ!

 東日本大震災の深刻な影響が被災地をはじめ日本全体に広がる中、「力を合わせて地域と日本の復興を」と、各同友会で合同入社式・新入社員研修会が開催されています。岩手(1面)、東京・神奈川・愛知・滋賀の取り組みを紹介します。

 

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 岩手同友会「2011新入社員入社式研修会」が4月1日、盛岡グランドホテルで行われました。県内各地から新入社員26社39名と経営者40名、計79名が参加しました。 震災後、県内企業の環境は一変し、見通しが全く見えない状況が続いています。しかし、入社式への参加が決まっていた同友会企業では1人の内定取り消しもありませんでした。「これから地域の復興を担うのは中小企業。そして企業をこれから支えるのが新入社員。どんなことがあってもわれわれ全員で迎え、みんなで復興への思いを共有したい。何としても地域に元気を届けたい」。震災後わずか3週間。企業復興へ全力を傾注する中、わずかな時間を苦慮して準備、入社式の開催にこぎつけました。

 代表理事あいさつで村井良隆氏((株)あさ開、代表取締役)は次のように新入社員に呼びかけました。

 「多くの方々が被災され、本当に辛く悲しい場面を体験してきました。皆さんも、自分の就職した会社は大丈夫だろうかと心配をされたことでしょう。同じように、私たちも、皆さんを本当に受け止められるだろうかと迷った会社もたくさんあったはずです。でも私たちは進む決断をしました。

 今日から皆さんは私たちの仲間です。会社を立て直し、地域を立て直す仲間です。われわれ中小企業1つ1つは小さい存在ですが、地域が復興していくために必要な会社と信じ、その一員である皆さんが、1日でも早く力になっていただけるよう心から願います」。

 新入社員の紹介では、例年みずみずしく響く声で返事をする姿が印象的でしたが、今年は全員が控えめの返事です。その雰囲気を一掃したのが、先輩社員の激励でした。入社2年目の信幸プロテック(株)社員、佐藤幸政さんは、自分の入社から現在までの体験を丁寧に語ったあと、「皆さん、私とこの岩手を復興しましょう!私たちが牽引し、地域を再生しましょう!」と堂々と訴え、新入社員にもようやく高揚した表情が生まれました。

 新入社員の感想では「厳しい環境下で採用していただいた感謝を忘れず、地域の復興の力になりたい」「私たちはいつまでも沈んでいない。さあ見てろ! と伝えたい」と意気込みを話す社員もあり、復興への力強いスタートを切った、歴史を創る大きな一歩を刻んだ入社式となりました。

 4月5日には、1日の入社式に参加できなかった新入社員5名のために、陸前高田市でも合同入社式が急きょ執り行われました。北海道同友会から支援に駆けつけていた新入事務局員3名も参加して、ともに新たな門出を祝いました。

 

東日本大震災被災義援金のご協力ありがとうございます。引き続きのご支援をお願いします

 各同友会及び個人から中同協の義援金口座に振り込まれた義援金は、4月7日現在、7958万円となりました。中同協では、すでに岩手、宮城、福島の3同友会に各 2000万円、合計6000万円を渡し復興に役立たせていただいています。引き続き義援金による支援活動を強めて参りますので各同友会が行う義援金活動へのご協力をお願いいたします。

被災同友会への訪問は当面自粛をお願いします

 被災同友会は、復興作業に追われて突然の訪問には対応ができかねます。当面自粛いただくか、訪問の場合は、必ず所属同友会事務局を通して事前に打診をされてからにして下さるようお願いします。 

「中小企業家しんぶん」 2011年 4月 15日号より

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