現場の声と全国の想いに勇気づけられて
昨日の夜8時半ころ、ある沿岸部で福祉関連の仕事をする会員さんから携帯電話に電話がかかってきました。聞くと、「この数日間お客様をまわり、お貸ししていたレンタルベッドを社員2名と引き取りにいってきた。泥の海をかき分けてやっとの想いで回収してきた。浸水した自社の倉庫に帰ってきて、同友会の救援物資を見た瞬間、社員と一緒に大泣きして喜んだ。マスクや消毒液が入った段ボールには、全国各地の仲間が『ガンバレ!』とか『負けないで!』と書いてくれていた。『俺たちは一人じゃない!』『同友会に入っていて本当に良かった!』と心から思ったよ。」とのことでした。「社長、この地域を復興するのは社長のような経営者しかいない。大変だと思いますがここでくじけずに一緒にやりましょう!」と伝えると、「その通りだ!俺はやるよ!この地域を絶対元気にするよ!」と話してくれました。
事務局員も「緊急車両認定」を取得した車で、現場をまわり始めています。何ぶん被害地域が広域ですが、行く先々で会員に会うと「FAXが復旧した瞬間、一番最初に来たFAXは同友会のニュースだった。しかも雇用や金融に関わる処置についてだった。このニュースのおかげですぐに動くことができた」「商工会は残念ながら本来の機能を失っている。同友会から来たニュースを持って、商工会に持ち込み、集まっている仲間に内容を伝えた。ありがたかった」といった声をいただきます。
被害が大きかった宮城県南の山元町では、もともと地元に「組合」のような横の連携をとる組織がなかったのと、行政の機能がマヒしている事態を受けて、会員企業数社が結集し、町のために動き始めています。
これも、中同協や兵庫同友会が、「阪神大震災」の教訓をきちんとまとめてくれていたおかげだと痛感しています。
また、被災が特にひどかったある地域の会員さんがこんなことを話してくれました。「かつて参加した『経営指針を創る会』で学んだことの意味を今痛感している。建設業・生コン製造業・鐵工業・結婚式場を経営しているわが社が地域において何ができるのかを模索した。行き着いた答えは『地域と共に』『人の命を守る産業』『わが社においては社会性の追求こそ最大の科学性』ということ。地域のための定期的なボランティア活動の継続や、自前での『防災避難マップ』の作成。各会社を避難所に指定し、食料や毛布も一定量ストックしていた。今回の大震災で、今まで積み上げてきたことへの確信を持った。多くの人の命を救うことができた。自社の復興も町の復興も大変だけれど、俺は挑戦するよ。何が支えになるか?この同友会で培った人との絆だ。」
いち事務局として、同友会のすごさを再認識するとともに、現場の声に勇気づけられ、全国のみなさんの想いに支えられ、宮城同友会は前進しています。本当にありがとうございます。
(宮城同友会 伊東事務局長より)